■ 相続税が“事業承継”と“M&A”を動かす時代へ

いま、日本の中小企業の経営者の平均年齢は70歳を超えています。かつては「子どもに会社を継がせる」のが当たり前でしたが、少子化と価値観の多様化の中で、「後継者がいない」「子どもが継ぎたがらない」企業が急増しています。
その結果、会社を畳むか、誰かに譲るかという“選択の時代”に入っています。
ここで大きな影響を与えているのが、相続税です。
日本の相続税の最高税率は55%と世界でも非常に高く、経営者が会社株式や不動産を多く保有している場合、そのまま相続が発生すると、子どもたちが税金を払えずに会社を手放す事態も少なくありません。
特に、会社の資産に「事業用不動産」が含まれているケースでは、その評価額が相続税の計算上で大きくのしかかります。
こうした背景から、最近では「相続税が発生する前に会社を第三者へ売却する」という流れが加速しています。
いわゆるM&A(企業の合併・買収)です。
創業者が元気なうちに株式を売却すれば、現金化できるだけでなく、後継者問題・相続税問題を同時に解決できるという合理的な選択肢になります。
M&A仲介会社のデータによると、ここ数年で日本の中小企業M&Aの件数は右肩上がり。
しかも、「不動産を多く保有する会社」の売却案件が目立っています。
理由は明確で、不動産を含む会社は資産価値が高く、買い手にとっても安定したリターンを見込めるからです。
ただし、注意すべきは「M&A=相続対策」として一足飛びに考えるのは危険だという点です。
株式の譲渡益課税、役員退職金、事業承継税制の適用可否など、税務上の論点は複雑です。
また、会社に土地や建物を所有している場合、その移転や評価の扱いにも慎重な検討が必要です。
相続・税務・不動産の3つの視点を総合的に整理することが求められます。
かつての「家族が継ぐ」という一択から、「売る」「託す」「共同で続ける」といった多様な承継スタイルへ。
その裏側には、税制という見えない力が働いています。
経営者にとって、事業承継の問題は“人生の出口戦略”であり、“税金との戦い”でもあるのです。
いざというときに慌てないよう、元気なうちから、相続・不動産・事業の全体像を見据えた準備を始めたいものです。
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