贈与の仕方②~贈与のしすぎに注意~
妻に先立たれたあなたは妻方の親からの財産も相続し、そして、あなたがこれまでにコツコツと貯めてきた財産と合わせ、ちょっとした財産を形成しました。
そこへ長女、長男からはあなたが亡くなられた後の相続税が大変だからと孫たちに生前贈与をするように促されました。
調べてみると確かに相続税を減らすためにはあなたの財産を減らす必要があります。そこで、長女、長男に言われるままに、毎年、孫や子供にせっせと贈与を繰り返し、自宅と2千万円の財産になるまで繰り返しました。
計算すると確かに相続税が出なくなるまで財産を減らしましたが、老後の資金を考えると心もとなく不安で仕方ありません。これから施設に入ったり、介護の費用などを考えると長男、長女は面倒見てくれるのか不安な毎日です。
生前贈与することにより、相続税対策や納税資金対策になるのですが、あなたの生活があっての対策です。人生100年時代、あなたが100歳まで元気に幸せな老後を歩めるように、いくらの現金を残しておけばいいのかをまず算定する必要があります。算定し、あなたが安心した上で、生前贈与の計画を立てるべきです。
争族対策・納税資金対策・相続税対策の三つの対策の前にあなたの老後資金対策が必要なのです。
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