遺言書の書き方~不動産分配の注意点~
あなたは地元の名士で、先祖から引き継いだ土地もこの町では数多く所有しています。先祖に感謝しているあなたはこれまで通り土地を引き継いでいってもらいたいとすべての土地を長男が相続し、土地の評価額より半分ほどしかない預貯金はすべて長女に相続させようと遺言書の必要性を感じたあなたは公正証書遺言を作成し一安心しました。
いざ、相続が始まるとどうなるのでしょうか?
今回の事例では相続税を考慮していないのが最大の問題です。結果、相続税支払いのため、あなたが引き継いでもらいたと思っていた不動産を長男は売却する羽目になりました。相続税率は最大で55%です。不動産を相続させるなら、納税資金分は現預金を長男にも相続させないと今回の目的は達成できないのです。納税資金対策は必須なのです。予め、処分してもいい土地を現金にしておいたり、土地の評価を下げる努力や保険を利用して納税資金をためるなど事前の対策をすべきでしょう。
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