2023/08/28
店舗を貸すオーナーは借主から消費税はとっていいのか?(インボイス制度)
オーナー様が店舗を貸すというので、物件資料を作成する過程でいくらの賃料かなどを確認をしました。
令和5年の10月からインボイス制度が始まります。その中で、オーナー様が、消費税の課税事業者か免税事業者かお聞きしました。
そのオーナー様は消費税の免税事業者でした。
店舗の賃料に消費税も含めて設定していいのか否かで、少し、揉めましたのでお伝えいたします。
非常にややこしいですが、免税事業者の方はご理解いただかないといけない内容だと思います。
オーナー様が、消費税の免税事業者(インボイスを登録してない人)であれば、消費税を受け取れません。(正確には受け取れとってもかまいませんがトラブルになります)
オーナー様が、消費税の課税事業者(インボイスを登録している人)であれば、消費税を受け取れます。
ただし、令和5年9末までなら、オーナー様が免税事業者であっても、受け取ることはできます。
例えば、免税事業者のオーナー様が月10万円+消費税1万円で合わせて11万円として、家賃をもらっても問題ありませんが、
その場合、令和5年10月以降はそうはいかなくなる場合があります。
3パターン分けてお話をします。
①貸主は免税事業者で、借主は消費税の免税事業者・・・消費税をとっても問題はありません。
②貸主は免税事業者で、借主は消費税の課税事業者(簡易課税)・・・消費税をとっても問題はありません。
③借主は免税事業者で、借主は消費税の課税事業者(本則)・・・消費税をとれません。
※簡易課税は消費税を簡易的に計算する方法 本則は消費税をしっかり計算する方法 事業者によってどちらかを選択しています。
①と②のパターンであれば、消費税の記載があっても特に問題はないかと思いますが、
③の借主が消費税の課税事業者(本則)の場合には、消費税のインボイスを貸主に請求されます。
それというのも、インボイスがないと仕入れ税額控除ができなくなり、消費税の課税事業者にとっては、消費税を多く支払わなければいけなくなるためです。
又、上記①や②の方も契約途中で③に変更になる場合もあります。
今から、消費税の記載をどうするのか考えて契約をしなければ、後々値引きの交渉をされてしまう可能性が否定できません。
では具体的にどういう記載をしなければいけないのか?
㈠ただ、契約金 月11万円で、消費税の記載をしない・・・今はいいですが、令和5年10月以降どうするのか、揉める可能性がある。
㈡月11万円(貸主は消費税の免税事業者です。)で明確に貸主の立場を明確にする。・・・もめる可能性は極めて少ない。
㈢月11万円(税込み)と記載する。・・・インボイスを発行してほしいといわれ、その返答において、値引き交渉がされる可能性がある。
制度が始まる前ですが、6年間の移行期間の優遇措置もありますが、しっかりと将来を見据えた条件を提示すべきです。
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