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コラム

AIが選別する相続税調査の時代到来――2025年夏、納税者が取るべき3つの備え

1.「AI 税務調査」本格始動のインパクト

国税庁は2025年7月から、相続税の実地調査候補をAIでスコアリングし、リスクが高い申告だけを重点抽出する運用へ移行します。対象は2023年以降の相続分で、全国の税務署に提出されたすべての相続税申告書を網羅的に解析する方針です。

2.AI が見るデータと判定ロジック

AI が照合するのは

  • 財産債務調書・国外財産調書

  • 金融機関の出入金記録・海外送金データ

  • 生命保険や金地金等の支払調書

  • 過去の不正事例 など。
    過去の申告漏れパターンを教師データに「類似度」を計算し、調査必要度スコアを付与します。

  • 申告書・調書データ

    ┌──         AI解析(学習済モデル)   ──┐
    │                           │                                        │
  • リスク低        グレーゾーン                    リスク高
    │                           │                                        │
    書面確認        電話照会など                 実地調査候補

3.プロコンサルタントの視点

AI導入で期待されるのは「効率化」と「公平性」です。従来は経験則に頼った選定が、人為的バイアスを排除して標準化される。一方で、スコアの根拠がブラックボックスになりやすく、「なぜ選ばれたか分からない」状況が想定されます。誤判定で実地調査に発展した場合、資料不備があると重加算税リスクが一気に高まる点に注意が必要です。

4.今からできる3つの備え

  1. エビデンス主義の徹底
    通帳コピー・評価計算根拠・名義預金の資金移動履歴を“出典付き”で保存。AI は数値矛盾を許さないため、資料の紐づけ整理が防波堤になります。

  2. 海外・暗号資産の「見える化」
    国外財産調書の提出義務者は、申告前に残高証明書や取引履歴の日本語訳を準備しましょう。仮想通貨も同様にウォレットIDと価格証明を保管。

  3. 生前対策の再設計
    節税スキームが「過去データ由来のリスクパターン」に合致すると、AI に即検知されます。名義を変えたり株価を下げたりして税金を減らすときは、必ず複数の専門家に内容を確認してもらい、実行したあとも定期的に問題がないか見直しましょう。

    5.まとめ

    AI が相続税調査の入り口を担うことで、「調査に当たるか否か」自体が高度にデジタル化されます。裏を返せば、適切な書類管理と透明性ある資産運用さえ行えば、過度に恐れる必要はありません。2025年夏は、相続実務が“紙の説得力”から“データの説得力”へシフトするターニングポイント――いまこそ体制を見直し、安心して次世代へ財産をつなぐ土台を築きましょう。

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