2025/07/15
2025年問題が相続税に与える影響 〜「老老相続」「小規模宅地の特例」見直しが急務〜

目次
■ 2025年問題とは何か?
「2025年問題」という言葉を耳にすることが増えました。これは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるタイミングを指します。
具体的には1947年〜1949年生まれの人口ボリューム層が高齢化し、医療・介護・年金制度への負担増が社会問題化するだけでなく、
相続の現場でも大きな変化が訪れると指摘されています。
これまで以上に多くの相続案件が一斉に発生し、「相続税の納税者数が急増する」「節税対策が機能しにくくなる」といった課題がクローズアップされています。
■ 「老老相続」が主流に
従来の相続では、子世代(50〜60代)が親世代の財産を相続するケースが多く見られました。
しかし、2025年問題が本格化するにつれ、80代以上の親から60代以上の子への「老老相続」が当たり前になりつつあります。
これが意味するところは、相続時点で相続人もすでに高齢であり、相続した不動産を活用したり、納税資金を用意したりする余力が減るということです。
加えて、相続人側もすでに自身の老後資金確保が最優先になり、相続対策が後回しになるケースが増加傾向です。
■ 小規模宅地の特例が使えない事態も増加
不動産の相続で重要な節税策が「小規模宅地の特例」です。
特定の条件下で最大80%の相続税評価額の減額が受けられる仕組みですが、「同居している」「持ち家がない」などの要件があります。
老老相続になると、
相続人も既に持ち家あり
親と別居している
親の家が空き家化していた
などの理由から、特例の対象外になるケースが増えているのが実情です。
結果として、路線価上昇の影響も加わり、課税対象額が跳ね上がる家庭が急増しています。
■ 節税対策は「活用」重視へ
こうした状況を受けて、最近の相続対策は「使わない不動産」を活用して税負担を抑える動きが目立ちます。
特に注目されているのは、
賃貸アパートや貸家建築による評価額の圧縮
不動産の一部売却と現金化による納税資金の確保
相続開始前からの名義変更・贈与の活用
といった手法です。現役世代が不動産活用を早期に考えることが、今後ますます重要になります。
■ まとめ 〜今こそ相続の「見える化」を〜
2025年問題は相続にも大きな波をもたらしています。
「ウチは大丈夫」と思っていた家庭こそ、思わぬ税負担が生じる可能性があります。
特に不動産を保有している方は、
✅ 小規模宅地の特例の適用可能性
✅ 現在の相続税評価額
✅ 将来の納税資金準備
これらを早い段階で「見える化」し、必要な対策を検討することが重要です。
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