〜相続対策から資産形成へ、終身保険の役割が変わる時代〜

■金利上昇の今こそ見直したい「保険」のチカラ
2024年から徐々に進む金利の上昇局面。住宅ローンや事業融資の負担が増え、家計や経営には厳しい風が吹いています。
しかし、税理士としてあえてお伝えしたいのは——
「金利上昇には、恩恵もある」ということです。
その一つが、生命保険などの金融商品の“戻り率”が改善していることです。
■終身保険は「守る」から「殖やす」へ
たとえば、以前から相続対策の定番だった終身保険。
かつては「1,000万円払えば、1,000万円が相続時に入る」——
つまり、純粋な“節税目的の商品”でした。
ところが最近では、金利上昇により一部の商品で
払った金額以上に死亡保険金が増えるケースも出てきています。
先日、ニッセイさんの担当者から伺った内容では、
「90歳女性の場合、一時払保険料が9,394,500円で、1,000万円の死亡保障がつく」
といった、資産形成型の提案が可能になってきたとのことでした。
■相続対策としての保険活用は今がチャンス?
金利上昇によって、保険の「見直しどき」が来ているとも言えます。
特に以下のような方にとって、再検討の価値があります:
既に相続税の課税対象になる資産をお持ちの方
子どもや孫への資産承継をスムーズにしたい方
不動産以外の形で流動性のある資産を残したい方
生命保険は、受取人を指定できる唯一の金融商品です。
つまり、遺産分割協議を経ずに確実に・速やかに資金を渡すことができる点で、相続時のトラブル防止にもつながります。
■税理士の視点:保険の見直しは税とセットで考える
保険を使った相続対策や資産形成は、「税の知識」とセットで考えることが極めて重要です。
たとえば、
保険料の払い方によっては贈与税の対象になる
法人契約と個人契約では課税タイミングが異なる
死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人)の活用方法
不動産とのバランスをとることで、納税資金の確保にも役立つ
など、保険だけ見ていてはわからない“落とし穴”が多く存在します。
■まとめ:保険は「守り」だけではなく「戦略的資産」へ
これまで終身保険は「万が一に備える商品」でしたが、金利の上昇により“攻め”の資産形成商品としてのポテンシャルが戻ってきています。
ただし、商品選びや契約形態によって効果は大きく変わるため、
必ず税理士や信頼できる保険担当者と一緒に、全体の資産バランスを見ながら設計することが大切です。
金利が上がる今だからこそ、
保険の「新たな価値」に目を向けてみてはいかがでしょうか?
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