2025/09/05
空き家活用の前に確認を!改正建築確認制度とリフォームの注意点

目次
■空き家を活かす前に知っておきたい「リフォームと確認申請」の落とし穴
〜制度改正で“思ったより面倒だった”を防ぐために〜
空き家を活用して賃貸住宅にしたり、事務所やカフェにリノベーションしたりする動きが全国で広がっています。
名古屋市内でも、南区・西区・中村区などで、築古の戸建てを再活用する例が増えており、不動産価値を“眠らせたまま”にしない動きが高まっています。
しかし最近、空き家活用のリフォームに思わぬ“壁”が立ちはだかっていることをご存じでしょうか?
それは、**改正された「建築確認申請制度」**です。
■「リフォームなのに確認申請?」と驚く声も
従来は、空き家の修繕や模様替えには、特に建築確認は不要とされてきました。
ところが、最近の法改正によって、次のようなケースでは建築確認申請が必要になる可能性が高まっています:
戸建てを店舗や事務所に用途変更する(100㎡を超える場合)
屋根や外壁の構造部分を取り替える
間取り変更により耐力壁に手を加える
2戸に分けて賃貸住宅化(戸数変更)
これらは、いずれも「用途変更」「構造変更」「増改築等」に該当し、建築基準法上の手続き対象になるのです。
「ただのリフォーム」のつもりが、確認申請や設計士への依頼、費用や工期の増加に繋がることもあるため、事前に十分な確認が欠かせません。
■制度改正で厳格化されたポイントとは?
2022年以降、建築確認制度は次の点で改正・強化されています:
耐震性・断熱性・バリアフリー性の確保を目的とした改修に対して明確な基準が設定
用途変更や大規模な模様替えの基準が明文化され、地域によっては届出義務も
特に既存不適格建物(旧基準で建てられた建物)のリフォームは、注意が必要
これにより、空き家を活用するつもりが、「確認申請が必要→設計図がない→費用増→活用断念」という流れになることもあるのです。
■アスベスト・断熱・省エネ義務も要注意
また、空き家をリフォームする際に見落としがちなのが、建材に含まれるアスベストの調査義務です。
築30年以上の建物では、キッチン交換や天井撤去といった一見軽微な工事でもアスベスト事前調査が義務となる場合があります。
さらに2025年以降、住宅の省エネ性能評価制度の義務化も始まり、リフォーム時にも断熱材やサッシの性能向上が求められるケースが増える見込みです。
■まとめ:空き家活用は「手続きから考える時代」へ
空き家を活かすことは、地域の景観維持や相続資産の保全、家賃収入など多くのメリットがあります。
しかしその第一歩として、建築確認申請・法規対応・アスベスト調査などを見落とさないことが重要です。
「現地を見て、どう活かすか」を考える前に、
「何をすれば確認申請が必要になるか」
「どんな制度改正が影響するか」
を専門家と一緒に確認しておくことが、成功のカギです。
空き家の活用やリフォームをご検討中の方は、宅建士や建築士・税理士などと連携し、制度の壁を越えて「価値ある不動産」に再生させていきましょう。
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