税務調査とは~調査の実際の流れ①~
税務調査とは皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
家に上がり込み、痛くもない腹を探られ、徹底的に調べられる。当然、気持ちのいいものではありませんよね。
税務調査とは実際はどんなものでしょうか?
私の体験からお話をさせていただきます。
税務調査の日がやってきて、時間通りに税務署職員がやってきます。「こんにちは」と税務署の職員。マルサの女ばりの怖いイメージとは裏腹に愛想がよく、物腰も柔らかい。お話しててもよく話を聞いてくれて、好感が持てます。通常、調査の午前中は聞き取り調査になります。
税務署の職員はあなたの亡くなられたご主人の生い立ちや苦労話も一生懸命聞いてくれます。例えば、あなたがどれだけ節約して頑張ってきたのか、あなたがどれだけ家庭を守ってきたか、亡くなったご主人は旅行が好きで、カメラが好きでと様々です。あなたは饒舌にいろいろな苦労や思い出を語りました。
お昼になり、聞き取り調査も終わり税務署の職員はお昼休憩をとられます。税務署の職員がお家を出たのを確認して、あなたは「ほっ」と一息、「いい人に調査にはいってもらってよかったわ」と肩をなでおろします。
お昼が終わり、職員の方が戻ってきます。お昼からは実際の調査になります。相続税の申告の原資資料を確認していきます。過去のご主人様の口座の通帳を確認したり、生命保険を確認したり。一通り調査した後、再度、質問になります。眼光が少し鋭くなったと思ったら「お口座はこれだけですか?まだいくつかあると思うんですけど?」「お母さん、節約して頑張られてきたなら月に生活費はおいくらくらいですか?お父様の確定申告の収入から考えるともっと残っていると思うんですが」
そうです!税務署の職員は下準備をしてきているのです。あらかた、下調べをした上で、税務調査に及んでいるのです。午前中の聞き取り調査もあなたを饒舌にお話してもらうために一生懸命聞いているのです。相続税の調査されている方々はそればかりやっている専門家です。お話を聞き取る能力は高く、税理士の相続税の調査の立ち合いの回数とは比べ物になりません。甘くはありませんよ。
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