空き家対策セミナーで気になったこと⑤~空き家の実態~
データからの空き家の実態
セミナーでのグラフを見てのお話ですが、
2013年と2018年をのみをあげて比べてみたいと思います。
全体では2013年では819万戸から2018年では850万戸まで空き家は増えています。
グラフでは3つのカテゴリーに分けて表しています。
①売却用、賃貸用 いわば、事業として行っているものです。
②2次的住宅、いわば、別荘でしょうか?
③その他の住宅、一般住宅の空きです。
それぞれ、見ていきたいと思います。
①2013年では売却用は31万戸、賃貸用では429万戸が空き家でありましたが、
2018年では売却用は29万戸、賃貸用では433万戸です。
売却用は新築の分譲会社が建築し、売却ができていない状態のものです。あまり考慮する必要はありません。
賃貸用は微増ながら増えています。これもおおきな問題ですが、事業であるといった点を考慮すると自己責任であるとも言えます。私が思っているより増えていないようです。
②別荘などの空き家は2013年41万戸から2018年には38万戸に減少しています。
別荘のブームを去って不必要な別荘が売れ残っている問題もありますが、不用意に別荘を建てることはなく、増えていっていないといったところでしょうか?
③3番目にその他の住宅の空家数の増加です。2013年に318万戸から2018年には349万戸まで増えています。こちらが社会問題となっているというわけです。
③は一般家庭からの増加ですが、空き家になった理由として人口減少、高齢化、核家族化が挙げられています。
人口減少により郊外から過疎化が深刻化しています。中古住宅として、過疎化により、立地が悪化し、中古市場の規模が小さくなりなす。そこで、利用価値がなくなった家屋も固定資産税の軽減特例の為、解体せずにそのまま空き家として存続します。
利用価値の無くなった不動産は市場でも取引されず、解体費用も捻出できず、相続でも困った負の財産となっているのです。
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