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コラム

2020/03/27

不動産等の贈与と貸付の税務上の判断

あなたは、あなたが亡くなる前、10年前に賃貸アパートをあなたの奥様に贈与しました。

あなたは奥様に財産を少しでも残してあげたいと奥様に内緒で行いました。しかし、贈与税の申告は行いませんでした。

そして、あなたが亡くなり、奥様は友達に紹介された税理士さんに頼み、相続税の申告書を作成してもらいました。税理士さんと面談し、色々な財産を整理していくうちに、賃貸アパートは登記簿謄本を取ると、名義が奥様にかわっていたのを初めて知りました。「あなたが私に残してくれた」としみじみと奥様は感慨深げに思いをはせるのでした。

亡くなられてちょうど2年後、相続税の調査に税理士さんから税務調査がある旨の連絡がありました。

調査の結果、税務署側からは「アパートの贈与は成立していない」との結論でした。

あなたがせっかく贈与してくれたものなのに、ケチをつけられたようで奥様は怒り心頭です。確かに、贈与税の申告はしていないが、除斥期間(時効)も経過している。何故、税務署側から否認されたのでしょうか?

この場合、一般的には登記が移れば贈与をしたことなるかと思います。

但し、贈与の成立に要件があります。民法ではあげる側、もらう側の意思表示があって初めて贈与が成立するのです。そうであるならば、知らなかった奥様には贈与が成立していなかったことになります。

税務署は租税回避を嫌がります。

納税者側からはこのようなことを言われかねません。

調査が入り、贈与税の申告漏れを指摘した場合、納税者側は贈与は成立していないと言い、そして、相続時には一転して贈与しているのだから、相続財産でもなく、除斥期間後であるので贈与税も支払わないと言われてしまうとどちらも税金を取れなくなってしまいます。

税務署側は相続時には相続財産に、贈与時には贈与財産にしたいのです。

そして、相続時である、このケースの場合には奥様への贈与は成立していないことになります。

贈与時には、財産の名義変更がおこなわれた場合においても(名義変更通達5)、軽率なものであった場合など、申告前や更正の前までに元にもどせば、贈与がなかったものとするとしています。裏を返せば、後は贈与とみなすということです。

贈与税の調査の時には贈与が成立し、贈与税の更正がなされます。

相続税の調査時には贈与は成立していないので相続税と言われかねません。

納税者側もあやふやにせずにしっかりと対策をしなければいけません。

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