2020/07/21
相続税の申告をしなければいけない要件
相続税がいくらくらい発生するのかという疑問もありますが、
それ以前に相続税を申告をしなければいけないのかという問題があります。
意外にわからない方も多く、このことだけでも知っていれば安心につながるのではないでしょうか?
一体いくらくらいの相続財産があって初めて相続税の申告をしなければいけないのか?又反対にしなくてもよいのか?
基本的には、亡くなられた方の相続財産の額が、3000万円+法定相続人の人数×600万円の基礎控除の金額を超えている場合に相続税の申告をしなければいけません。
それでは、相続が発生しそうな場合には、数年前から贈与を繰り返し、相続財産を基礎控除の額の範囲内にしてしまおうとした場合、相続税の申告を回避することはできるのでしょうか?
答えはNOです。
相続財産とは亡くなられた3年以内に贈与した財産や相続時精算課税制度を利用した贈与の財産も含めて計算し、この基礎控除の額を超えていた場合に申告が必要になるのです。
また、配偶者の税額の軽減として、法定相続分までの財産の取得か1億6000万円までの財産の取得により、相続税が計算してもゼロであることもあります。小規模宅地の特例を使うことにより相続税がゼロになるということもあります。
それでは、この場合相続税の金額がゼロであるという理由で申告はしなくてよいのでしょうか?
これも答えはNOです。
配偶者の税額の軽減も小規模宅地の特例もあくまで特例なので、申告をして初めて特例として認められますのでしっかりと申告は必要です。
あくまで、相続財産が基礎控除の金額に近い金額である場合、例えば、税務調査により、知らなかった財産が出てきた、生前贈与を相続財産にいれて計算していなかった、評価額が税務署の指摘した金額とずれが生じていたなど、リスクがともないますので、とりあえず申告をしてみることも必要です。そして、特例は申告期限内申告でないと認められないものがありますので、申告しておけば派通じません。相続財産が基礎控除の金額を大きく下回った場合は申告自体はしなくていいと判断して行動すべきだと思います。
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