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コラム

敵対的相続人対策④~とられてしまった場合~

敵対的相続人対策をとられてしまった場合はどうするのか?

まずは、敵対的な対策をとられている時点で後手に回っています。

一方の相続人が敵対的相続人対策をとれるということは、亡くなられると想定されている方とのコミュニケーションが取れているということです、そして敵対的対策をとられているあなたは、この時点で亡くなられると想定されている方とはコミュニケーションが不十分である可能性があります。もし、敵対的な対策を取られるとしてもあなたが十分にコミュニケーションを取れているのであれば事前に察知し、未然に防ぐことができたでしょう。

敵対的相続人対策のコラムシリーズでは相続人同士の争いを私は助長したいのではなく、亡くなられる方を事前に大事にしていれば、このようなトラブルにもなりにくいということです。親を大事にする、親族を大事にすることは巡り巡って自分のためにもなるということです。

それでも、亡くなってしまった後に、遺言書、養子縁組など敵対的相続人対策を仕掛けられていたらどうすればいいのでしょうか?

①遺言書

公正証書遺言であれば、公証人が、本人の意思確認を遺言書を作成しますので、覆すのは難しいかもしれません。しかし、その他の遺言書であれば、亡くなられた本人が認知症を患っていたのであれば、認知症の状態で遺言書を作成した可能性があります。もし認知症であったのであれば、その遺言書は無効であると主張できるかもしれません。もしかしたら、軽度の認知症の状態で慌てて、遺言書を作成させられたというケースかもしれません。病院での診断、介護施設などの聞きとりなど、客観的な証拠を集めなければいけません。

②財産目録

恐らく、敵対的相続人対策をされたということは、亡くなられる方は資産家だったことだと思います。であれば、財産目録を作成していると思いますが、敵対的であれば、すべての財産を開示しているのかが、疑問になります。相手方から相続される金額が提示され、遺産総額が少ないと考えるのであれば、亡くなられた方の生涯の年収、生活費、その方が相続などで取得した財産などを計算し、いくらくらいの乖離があるのか?預金通帳などから過去の取引や確定申告書などの開示請求をするべきでしょう。

③特別受益

特別受益とは生前に特別に特定の相続人に贈与があったのであれば、相続時に公平に分けることはできません。例えば、生前に長男にだけ、住宅の建築費用や留学費用を出してもらい、次男のあなたにはなにもなかった場合には、その不公平を相続において精算するというものです。生前贈与により、亡くなられた方の財産を意図的に減少させている可能性はあります。これも預貯金の取引履歴がわからなければ追及することもできません。注意点としては、特別受益は亡くなられる前の10年間のみが対象であると民法改正されていますのでご注意ください。

④相続税の申告書

財産目録と実際の財産があきらかに乖離していると感じている場合、相続税の申告書もその間違った財産から申告していると思われます。明らかにおかしいと思われる情報を持っているのであれば、税務署に陳情してみるのもありかも知れません。税務署は調査に入り確実に指摘できると場所を探しています。

正式に遺言書が作成されているのであれば、遺留分を請求するしかありませが、その中で、財産を多く取得するのであれば、遺産総額を大きくするしかありません。

②から④はそのための対策になります。

⑤相続人との人間関係を優先する。

敵対的相続人対策をしてきた相手方に対し、なんと弱腰なと思われるかもしれませんが、そうとはいえ、こちらも敵対的な対応をしていたのでは全面戦争になります。コミュニケーションを取らなかったあなたは、初めから負け戦が濃厚です。その中で戦ったとしても、あなたの時間やストレスのマイナスの方が大きいかもしれません。早めに作戦を切り替え、建設的な議論の上、遺言書などはあるのは重々承知した上で、相続財産を分けてもらえるように交渉をしてください。敵対的相続人対策を行った相手方も負い目があるケースが多々ありますので、心情から分割協議に持ち込んだ方が賢明かもしれません。

 

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