不動産の整理~ご自宅の売却は生前が得か?亡くなってからが得か?②~

生前に売却したほうが得か?亡くなってから売却したほうが得か?
あえてご自宅を売却した場合と書かせていただいてます。ご自宅以外だとまた少し変わってくるかと思います。
今回は税金面でのアプローチになります。
ご自宅の場合得か損かで売却するものではないことは重々承知の上で、そのためになかなか話ができないものなので、敢えてであることをご了承ください。
譲渡所得税から
売却した場合①
生前に売却した場合には譲渡所得税がかかります。
ご自宅を売却した場合には、居住用財産ということで、3000万円の控除が受けられます。
簡単に言うと、売った価格から買った価格(建物の減価償却も考慮したうえですが)から必要経費をひいた儲けが3000万円以下ならばから税金を払わなくてもいいということです。
売却しなかった場合①
亡くなられた後に相続人が相続し売却した場合にも譲渡所得税がかかります。
相続空き家の特例と言われるものになります。
こちらも生前に亡くなられた方が住んでいたご自宅であれば、相続空き家の特例が使えて3000万円の控除を上記と同様に使える可能性があります。
それであれば、どちらでも同じではないかと思いますが、相続空き家の特例の特例の場合には、不動産の流動性を担保する為に作られた特例であるという考えから限定的になります。
一番大きいのが、ほぼ更地渡しが条件であるということです。古家付の売却の場合、耐震基準が新耐震基準に適応されていることが条件であり、昭和56年5月31日以前に建築されていないといけないという条件があります。わざわざ新耐震基準に工事してから売却なんてできません。注意が必要です。
しかもこの特例を使いたいときは、亡くなられてから3年を経過する年末までに売却しなければいけません。
相続人で揉めることが予想される場合には3年以内に売却できない可能性が高いので生前に売却をしておくことも考えられます。
そして、相続空き家の特例が適用できない場合には生前に売却したほうが有利だと言えそうです。
譲渡所得税からの結論:相続空き家の特例が適応できるかどうかを確認し検討すべきです。
又、取得費加算の検討も必要です。取得費加算とは亡くなられた後に3年以内に売却した場合に、売却した不動産に対して支払った相続税分を売却するときにはその分の相続税を経費として認めますよというものです。税率はケースバイケースなので何とも言えませんが、その都度検討することが必要でしょう。相続空き家の特例とは一緒に使えませんのでご注意を。
固定資産税から
ご自宅を所有している限りは固定資産税が毎年かかります。売却すればかかりません。
そういう意味では、施設に入ってしまった場合には毎年かかりもったいないとも言えます。
相続税から
相続税の観点から、売却した場合と売却しなかった場合とは、相続時において、売却して現金にした場合と売却せずに不動産の場合で相続税評価の差がどれくらいかということです。相続税の評価により税金がかけられます。
売却した場合②
ご自宅を売却したことにより財産が不動産から現金に変わると何が変わるのでしょうか。
例えば、1000万円にて、ご自宅を売却した場合(更地渡しが条件)、測量に40万円、仲介手数料に40万円、解体費用に150万円かかったとします。譲渡所得税はゼロ。実質手残りは770万円。
1000万円と言われていたものが、現金に置き換えると実は770万円の価値しかなかったということです。
売却しなかった場合②
ここでも上記の例に従い、1000万円の市場価値の自宅としましょう。
相続税評価で言えば、家屋の評価(ゼロにはならない)と土地の評価ですが、例えば家屋の残存価値は50万円だったとします。
1000万円が土地の市場価値であれば、相続税評価上は1000万円の土地でも相続税を評価する路線価は8掛けで評価されていますから800万円とされ、小規模宅地の特例が使えるのであれば、160万円の評価になります。
特例が使える場合には建物合わせて、210万円の価値、特例が使えない場合850万円となり売却した場合現金の手残りの770万円を比較すると小規模宅地の特例が使えるのであれば、売却しないほうが有利、使えないのであれば売却したほうが有利ということも言えます。
個別においては結果が変わることだと思いますので、都度試算をすることが大切かと思われます。
前の記事 : 相続空き家の特例⑥~落とし穴 居住用財産の3000万円控除との違い①~
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